
最後の工程であるお包までひとの手と目で行っております。
それは包むときに一本ずつ鋼の焼き具合や仕上げの良否を検査するためです。縫うときに少しでも支障があると思われるお針を、すべて取り除きいておりますから、1包25本をほとんど不安なくお使いいただけます。
お包は針を最適の状態で保管できるように、湿気を防ぐアルミ箔にお包してみすや忠兵衛の屋号包に納めております。

美しい針のシルエット、それは針穴から針先に向かってなだらかに細くなっている姿と考えます。
針先が極端に細くなる姿では、生地に抵抗が生まれ、布目に傷をつける(生地の織糸を割ってしまう)原因にもなってしまいます。なだらかに細くなる姿だと、生地の抵抗をほとんど感じず、運針が大変スムーズです。


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針づくりの製作では、表面を磨きあげる仕上げ作業があります。現在一般的な磨きは横磨きですが、みすや針は縦磨きで仕上げてあります。横磨きならば、ローラーで効率よく磨くことができますが、針入れの方向に対して直角に磨くことになりますから、生地の抵抗を生む磨き方といえます。一方、縦磨きを施すと針入れの向きと同じ方向に肉眼では見えない繊細な縦筋が入ります。実はこの微細な縦筋がガイドとなって、生地の進みがよくなるように仕上げられているのです。この磨きは肉眼で見えるほど荒くてはだめ。生地を痛めるような均一感のない磨きでもだめ。まん丸の胴体が変形しないよう、均一に0.00ミリ単位で磨きあげなければなりません。 ぐっと息を止めて、まっすぐ一定の力加減で磨きあげ、いぶし銀の照りを出す。磨き作業は、熟練の針職人でも呼吸ひとつ緊張する作業なのです。